ホンダ ダンク

 何かモノを買う、あるいは手に入れる動機は以下に収斂されると思う。

「カスタマイズ」と「暇つぶし」、そして「利便性(を高める)」。

 服や時計などのファッションは自分のカスタマイズ、読書、音楽鑑賞など余暇アクティビティは暇つぶし。そしてクルマやバイクなどの乗り物は利便性である。一部自分ブランドのカスタマイズという側面もある。

 大概の消費動機というのはだいたいこれにあてはまる。

 携帯電話が売れたのはこれらのすべてがあてはまっているから。着メロや待ち受け画面、スマホケースはカスタマイズ欲求を満たすし、音楽鑑賞や動画、サイト閲覧は暇つぶし、利便性に関しては説明不要でしょ。

 最近マーケティング関係者の間でよく話題にでるのが、ヤンキー消費。書籍もいろいろ出ているので興味ある人はそれ読んでください。ともかくそのヤンキー消費の典型をイメージでいうとミニバンカスタマイズ、ショッピングモール、パチンコやラウワンでの時間つぶしなど。新聞雑誌は読まない、愛郷心、仲間意識が強く地元を離れないなどそんな感じ。

 とにかくそこをくすぐられる商品やサービスを提供できれば成功するという話である。まあ確かにそんな気もしないでもない。

 それはともかくなんでこんなことをつらつら書いたかというと、ホンダから12年ぶりに原付きバイクが発売されるというニュースを聞いたから。

 バイクは上記で述べた消費動機に当てはまりそうであるが、たぶんそれは地方都市に限られると思う。都内では逆に利便性は高いようで実は不便。とにかく警察の取り締まりが厳しい。

 まず駐めるところがない。最近では原付きであろうと簡単に駐禁キップが切られる。さらに交差点は2段階右折、速度規制は30km。ヘルメットで髪型は乱れるし、酒気帯びの取り締まりは厳格。目的を持って計画的に使う分には便利かもしれないが、出たところ勝負な生活をしている人にはかえって不便。

 みんなそんなことを百も承知だから、バイクの消費量がピークの半分にまで減ったのだと思う。

 自分自身バイク好きである。サーキットを走るレースをしていたこともあるし、常に数台のバイクは所有している。その所有動機はバイク乗っている自分がカッコイイという自分自身のカスタマイズという点と余暇の趣味、つまり暇つぶしである。利便性ではない。利便性ならむしろ電動自転車を選ぶ。

 ホンダの狙いはなんだろうなと考えた。普通に考えると苦戦しそうだが、ぼくのぼんくらな目に映らない狙いがあるのかもしれない。

 世界に誇れる日本のバイク産業の発展のためにもこのバイクが成功してくれればいいと思う。でもちょっと心配なんだよね。

 

 ↓  ホンダ ダンク 

f:id:hynm_sai:20140204105927j:plain

 

 

 

 できればもっとぶっ飛んだデザインにしてほしかった。