ワンルームは経済の優等生!?

 東京は家賃が高いとよく言われるが、賃料自体は30年前とさほど変わっていない。30年前の私鉄沿線のワンルームマンションは6万円前後でターミナル駅だと7万円前後。もしくはそれより5000~8000円くらい安い物件もあったかもだが、だいたいそんな感じ。

 30年後のいま、それらは1万円くらい高くなったくらいか。30年でおよそ15%しか相場は上がってない。

 失われた20年。

 一方、大都市ニューヨーク。20数年前に1000ドルくらいで借りられた部屋はいまでは3000ドルでも借りられない。マンハッタン内では6畳もないワンルームで2000ドル近くする。6畳という概念が向こうにはないけれど。

 そんなニューヨークのマンション購入で中国人がロシア人を抜いたというニュース。ウクライナ情勢の影響で海外資産を凍結される可能性のあるロシア人が不動産市場から消えているのも影響しているらしいが、それより中国の経済パワーであろう。

 昨日、某政府系の機構へ行ってミーティングをしたが、中国の経済力はまだまだ伸びしろがあり侮れないということであった。実際、我が社が借りている物件のひとつはオーナーが中国系になっている。

 このまま行くと世界中の不動産が中国人のものになるかもしれないが、これはどこかで見た風景。バブルの頃、日本はマンハッタンを買いまくり、アメリカの富の象徴ロックフェラーセンター三菱地所が買ったのは両国で一大ニュースとなったものだ。結局買収額を大きく下回る金額で三菱地所はこれを手放したが、今回はそうはならないだろう。中国バブルが弾けてもまだまだ底力のある金持ちはあちらには多くいる。

 日本もインフレにしたいのであれば、外国人が不動産を買いやすい法制にすれば早い。そんなのイヤだという人は多そうだが。

 ちなみにニューヨークの高級マンションの坪単価は香港の半額だそうだ。

 昔は東京が一番高かったんだけどね。