クライミング
先週なかばは湯河原へ人生初のクライミングへ。アークテリクス主催のメディア体験会であった。
ボルダリングとクライミングの違いさえ知らない無垢で無知な自分が、本物の岩に挑むということで、行く前から緊張しっぱなし。ちなみに前者は命綱なしの体一本勝負なのに対し、後者はハーネスとロープをつけて壁を登るスポーツ。アークテリクスはいわずと知れた、ハーネスから始まったブランドである。
初級者向けとはいえ10メーター近い壁になると圧倒的な存在感である。参加者のほとんどが初級者なのにみんなすいすい登っていく。もちろん、プロのガイドさんが指示を出してくれるのだが、壁のちょっとした突起に(ニキビのような微妙な出っ張り)足や指をかけて登っていくのが信じられない。トップロープといって、岩場の頂上からロープが垂れて、片側でビレイヤーというそのロープを持ってくれている安全確保人がいるので落ちても宙にぶら下がるだけで安全なのはわかっていても力が入る。
高所が苦手な自分としては、一番簡単な壁を一回くらい経験し、それで終わろうとしたのであるが、ガイドさんはそうは問屋を下ろしてくれない。宿泊グループが我々だけということもあり、二日目はみっちりと特訓を受けた。
初日の初級者向けの壁でウォームアップした後、さらに山道を奥へ入り、もうすこし技術が必要な壁へ。なんとなくコツのようなものがわかってきたのでここまではなんとかクリア。徐々に判断も早くなってきているような錯覚さえ起きる。
そして最後ということで5番目の壁に挑戦することに。
ガイドさんいわく、初めてでこの壁登れたらそれは奇跡という難関。そう言われると燃えるではないか。壁自体は5~6メーターという高さなのだが、ほぼ垂直に切り立っているため、難度が高いらしい。
よし、では軽く登って天才呼ばわりされよう、くらいの気持ちでチャレンジ。そして簡単に跳ね返されるのであった。
実際壁にへばりついてみるとそれまで壁とは違い、圧倒的に上も下も突起が探せない。というより休むところがない。ガイドさんは休まず、スムーズに流れるようにいかないとクリアできないというが、もうどこに何をおけばいいのかまったくわからん。
しかも手を置く突起がヤスリをかけられたかのようなギザギザで、指の皮も悲鳴を上げている。悔しくて二度目もチャレンジしたのだが、これはもう如何ともしがたかった。ガイドさんたちは何事もなかったように流れるように登るのに。やはりこれがクライミングの難しさ、面白さなんだろうね。
まわりではリタイア世代の方たちが集まり、同じ岩をルートと難度を変えてチャレンジしている。彼らもやはりクライミングのこうした魅力にとりつかれた人たちなのだろう。どうやらほぼ毎日来て岩壁を登っている様子。こうした老後も悪くない。
一泊二日で5種類の岩壁を登って、四勝一敗。
次はあの壁、クリアしたいなあ。
↓初級者向けの壁。およそ10メーター。こうみるとロープにしがみついて登っているようだけど、あくまで命綱で、上りには一切触れてない。腿に巻いてる赤いベルト状のものがハーネス。