セデック・バレ

 ガキの頃、世界不思議図鑑的なものが大好きで類似の本をいくつか持っていた。謎のバミューダトライアングルとか消えたアトランティスとかそんなやつ。決まって出てくるのが食人族や首狩り族。こんなものははるか昔の原始時代の話だと勝手に想像していたが、育つにつれそれが比較的に近代まで続いていたということを知る。

 それでも首狩りなどは南米など遠い地域でのこととこれまた誤解していて、日本に近いアジアの国々でもそうした文化があるとは知らなかった。驚いたのは日本に近い台湾に首狩りを行う種族がいたと聞いた時だ。まさかと思ったが本当の話である。

 想像は勝手な解釈を踏まえてエスカレートしがちだ。首狩り族というと未開の野蛮な民族がほしいままに異種族を狩ることだと妄想していた。

 映画、「セデック・バレ」をやっと観た。WOWOW録画であるが。敵の首を狩ることによって一人前の男と認められ、認めさせる種族と日本軍の間であった霧社事件をベースにしたストーリーである。

 この事件は先の戦争中、台湾内で最大の抗日闘争であった。ぼく自身、そんな事件があったなんて全く知らなかった。

 映画は二部に分かれていて長い。けど大変興味深く観させていただいた。日本公開からほぼ1年。いまさらながらの紹介であるが、興味をもった人はぜひビデオレンタルなどで観て欲しい。

 すさまじい映画でした。

 

映画『セデック・バレ』公式サイト