ラストリゾート

 友人が今月半ばからテレビに出ることになった。そこで何を着ればいいですかねという相談を受けた。ニュース解説のようなものなのでスタイリストはつかない。つまり自前である。あまりカチッとするのもなんだし、カジュアルすぎるのも場に合わない。で相談に乗ってくれというわけだ。

 うーむ。頭をひねった。リースではなく、買い取るというからお店にいって好きなモノを買えばいいだけの話だけどなかなか難しい。スタイリストさんたちの大変さというのが少し理解できる。

 いわゆるセレクト系のショップにいけばなんでも揃いそうだが、それは最後の手段として残しておいて少しばかり冒険してもいいのではないかと思い、閃いたのがエンジニアド・ガーメンツ。ちょうどいい大人のカジュアル感かなと想った次第。

 そこで青山の直営店に昨日おじゃましてきた。

 しかし。時期が悪いというかなんというか。6月ともなると春夏のシーズンの最後半ということでジャケットなどの羽織モノの在庫が殆ど無く、あったとしてもサイズがない。もちろんパンツも。つまり着られるものが非常に限られてるである。これは計算外であった。

 最終的にはいくつか選んで、客注で取り寄せということになってしまったのだが、本当にこういうのって難しいと改めて思い返した次第。テレビに映るということは、全身のサイズ感のバランスが非常に大切である。引きで全身小さなフレームの中に映り込むわけなのでそのバランスを考える必要がある。

 タイト目な服が求められているいまで言えば、少しルーズなシルエットだと逆に野暮ったく見える。肉眼で相対する場面とは違い、フレーム内に収まる人物のシルエットはスリムで縦長に見えたほうがスマートである。服屋さん的オシャレ観点とはまた違う法則がそこにはある。やはりスタイリストさんたちは偉大である。

 もちろんEGにもスリムなジャケパン+シャツがあるのだが、前述のとおりサイズがけである。

 こうなればセレクト系に頼るしかない。しかし新幹線の時間が迫ってきたのでタイムオーバー。ぼくは明日から出張なのでもはやこれまで。投了なのであった。

 蛇足だが「最後の手段」を英語で言うとタイトルのようになる。明日からの出張が最後に行くリゾート地という意味ではない。