ポートランド最終日

 ポートランド最終日はひとりでダウンタウンをぶらりと散策。大きな本屋さんへ行ったり、雑貨屋さんへ行ったり。

 滞在中、パープル掛かったピンクの大きな箱を得意気な顔で持ち歩く人を多く見かけた。顔がほころんでいるのが傍からでも分かる。箱にはヴードゥードーナツと書いてある。オールドタウンにある大人気のドーナツ屋さんだ。一度食べてみようかと思いぶらりと寄ってみたが、ご覧の列。ニューヨークのクロナッツの時もそうだったけど、旅行者には時間は有限なのだ。

 

 ヴードゥードーナツはこんな感じ。

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 最後に行ったのがホテルから近い家具屋さんと革製品屋さん。革屋さんではベルトを発作的に購入。ボディの色とサイズ、そしてバックルの組み合わせを自由に選んで目の前で作り上げてくれる。ベーシックに黒革にクロムメッキにしてもらった。真鍮にすればよかったかな。

 しかしこういう最後の仕上げを手作業でやるというところがDIY精神というか、なんともポートランドっぽい。買う側になんだか特別な一本感を与える演出はいろんなビジネスでもマネできそうだ。

 

 家具屋のスタッフ入り口。ヘルベチカの佇まいがいい。

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 件の革屋。タナーグッズ。

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 最後の夜ということで、ナヴァレのオーナーがやっている別の店「ルーチェ」へ。こちらはオーガニックイタリアン。やはりワインはヨーロッパのものばかり。

 ポートランド在住の日本人たち3人と軽い打ち上げ。

 

 

 

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 とまあ4泊5日のポートランド滞在はポパイやトゥルーポートランドといったガイド本をトレースするかのような旅になったが、まあコーディネートしてくれた人が同じだったということもあるのでそうなるのである。

 これ以前にポートランドに訪れたのは1994年。ちょうど20年前。いまの会社を立ち上げた時である。

 ナイキがバスケットのスリー on スリーを日本全国で開催し、優勝したチーム3名をアメリカに招待するという企画に当時働いていた雑誌を絡めて同行したというもの。仕切りはワイデン&ケネディ

 国際線はビジネスクラスで、アメリカ国内はファーストクラス。ホテルも5つ星ラグジュアリーでまるでお大尽出張。ポートランドから入って、ロス、シカゴ、インディアナ、ニューヨークを巡る3週間あまりの取材だった。

 ポートランドではワイデン&ケネディの旧本社の表敬訪問やビーバートンのナイキ本社での取材などが主だったので、あまり滞在の記憶はない。到着した夜、ディナークルーズに行ったなというのがかすかな記憶に残っている。

 住んでいる人からはずいぶん変わったでしょなんて言われるが、もうほとんどあの時の記憶は残っていない。むしろ初めて訪れたといってもいいくらい。

 雨の多い街だと聞いていたが、今回は運良く毎日晴れた。毎日の日暮れは涼しくてとても気持ちよかった。食事も美味しいし、地ビールも豊富。人々は気さくで、リベラル。

 旅行者としてそんな印象を持つのは当然だが、現地の人に言わせると特にそうでもないらしい。少し郊外へ行けば超保守的な人々がいっぱい住んでいるし、それなりに差別感情も根強くあると。勝手なイメージではアメリカの良心とも言える街かと思ってたが、やはり他の州や街とそう差はないようだ。

 しかしここには他にはない面白い文化が花開いている。サンフランシスコから移住してきたヒッピーの流れを組む進取性、自由さみたいなものをなんとなく感じることができる。

 もうすこし時間があると郊外で自然に触れたりさらにディープな経験も得たかもしれない。

 まあそれくらいのすこし足らないくらいがちょうどいい。また行きたくなるにはね。