Wouldn't it be nice
同名の歴史的名盤をこのアルバムに夢中になった著者の偏愛に満ちた書。もちろん訳者の村上春樹氏もこのアルバムにひとかたならぬ愛を持っている。もちろんぼく自身も。
発売と同時に読んで、ブライアン・ウィルソンについてさらに多くを知った。たぶん読み手を選ぶ文体だし、ザ・ビーチ・ボーイズに興味ない人にはまったくひっからない本だと思う。
引っ越し時ほとんどの本を処分したが、どういうわけかこれだけは手放さなかった。
先日、「ラブ&マーシー 終わらないメロディ」の試写に呼ばれた。ブライアン・ウィルソン公認の映画である。彼の半生をジョン・キューザック、ポール・ダノのふたりが二人一役(一人二役ではなく)演じている。
スタッフ陣は「それでも世は明ける」を制作した面々。
ペット・サウンズのレコーディングが映像で見られるのはこれまた新しい発見。あの犬の吠えた音はこんな風に録音されたんだとか。ブライアン・ウィルソンの前衛芸術家的な面も見られてよろしい。
ザ・ビートルズのサージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブバンドと同列に論じられる名盤の裏側で起こっていたことが、この映画と本でかなりのことを知ることができる。
非常に、興味深く、個人的にとても深く楽しむことができた映画。
公開はちょっと先の8月1日。音楽ファンは見逃せないのはもちろんだが、そうでない人もぜひ観て欲しい。
こちらが本で
こちらがCD
こちらがトレーラー