歩道橋

 すこし前代官山槍が先の交差点の歩道橋が撤去されているのに気付いた。聞くと結構前から撤去されていたらしい。たまに通るんだけど気付いてなかった。

 うちのオフィス方面、つまり並木橋から中目黒に徒歩で向かう時、わざわざあの歩道橋を上り下りするのが面倒だった。いま歩道橋の変わりに、横断歩道が旧山手通りに交差するように施設された。これは楽でいい。実はいつもその横断歩道あたりを徒歩で渡っていたのだが。交番が目の前というのがすこし気まずかったが。

 そういえばここに限らず結構いろんなところの歩道橋がこのところ撤去されているような気がする。広尾によく行く鉄板焼き屋さんがあって、タクシーでアプローチすることが多いのだが、その目印が店の前の歩道橋であった。初めて来る人にもその歩道橋を目印になんて言っていたのだが、数年前にこれも無くなった。きっと老朽化が原因の一つなんだろうと思う。

 令和の時代になり昭和は遠くになった。しかしこれら歩道橋らはその昭和の高度成長期時代、交通事故の多かった時代に作られた遺物。経年劣化が激しいそれらは日本中にある。それをすべて修繕するとなると一体どれだけのお金がかかるだろう。

 歩道橋に限らず、あの時代に作られて、ちょっとづつ修繕しながらだましだまし使っている構造物はきっと多い。首都高とかね。

 つくる時は60年、70年後のことはあまり考えない。でもこれからこういう構造物や建物などがどんどん朽ちていくんだろうな。

 ところで先日外国からのお客さんと話していて教えてもらったんだけど、この歩道橋は欧米諸国にはほとんどないそうです。向こうの道路は原則、歩行者優先。横断歩道に人がいれば止まらないといけないという文化なので、歩行者に負担をかける発想がどうにもヘンということだった。なるほどねえ。