小籠包

 グルメでもなんでもないのだけど、最近思うことがある。おいしいお店の食べ物って客に供するタイミングで温度調節がきちんとできているということだ。

 ぬるいラーメンやうどん、そばにがっかりするように、アイテムによって適度な温度というものがある。

 先日、台湾の鼎泰豊(ディンタイフォン)の本店にいって例の小籠包をいただいたのだが、供された時点での温度が絶妙であった。

 昔出版社の先輩に芝の新亜飯店に連れて行ってもらったことがある。ここはいまの小籠包ブーム以前に、その道で有名なレストラン。供された時点の小籠包は熱々で、とても一口で口に入れることはできない。そんなことを知らない無垢な自分は当然ながら舌をやけどした。以来、気をつけて食べるようにしている。

 しかし上でも書いたが鼎泰豊は熱すぎずぬるすぎずで、なんともちょうどいいバランス。猫舌の人もいるしこういうのは個人差もあると思うのだけど、同席した2人は口々にちょうどいいといっていたからそう遠からずであろう。

 最近のおいしいお寿司屋さんも温度管理に神経を使っている。冷蔵庫を工夫しているのはもちろん、ネタを切ってもしばらくまな板の上に置いておいて室温になじませ、人肌温度のシャリと合わせるということをやっている。そうでないお店も多いけれど、いわゆる高級店はこのような温度管理が完璧である。

 結局小籠包は3人で30個食べた。そして昼から15年物の紹興酒。日本にも各地に同店はあるらしいが、やはり本店がおいしいという。本当なのかどうか近く試しに行きたいと思う。

 

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