失った目的

 ここ数日、東京はとてもいい天気が続いている。湿気の少ないカラッとした晴天だ。まるでカリフォルニアの青い空のよう。こういう日はオープンカーでドライブしたい。

 が、オープンカーを持っていない自分としては他でこの天気の僥倖を享受するしかない。で、たまたま好日に好イベントが重なったわけだ。

 前日のコンサートが延期になったという凶兆はあったものの、特に新しい情報がリリースされているわけではないので、午後一で今日は大丈夫だろうと勝手に思っていた。

 15:30の開門、17:30の開演ということで、30分くらい早く行って青空の下で生ビールでも飲んで気分を盛り上げようと、銀座線の渋谷駅から電車に乗った。

 で、表参道駅に着く前にスマホで情報を確認したところ、本日の公演は中止とある。がーん。

 仕方ないと諦め、そのまま渋谷に引き返した。中途半端な時間、目標、目的を失ったいま我々にできることはなんなのか。

 というわけで晴天の下のビールという目標を思い出し、恵比寿のガーデンプレイスビアホールの屋外席へと移動。明るいうちからしこたまビールを飲んだ。

 問題はせっかく用意した双眼鏡である。

 シュタイナーというドイツ製のヘビーデューティなモデル。クルマに踏まれようが、水に浸かろうがまったく問題ないというすごいタフなやつ。公演がどんな悪条件に巻き込まれても、こいつだけは生き残ることができるというクールのやつだ。

 せっかく用意したのにこちらも仕様の目的を失ってしまった。

 仕方ないのでビアガーデンの前を歩く人々をひとりひとりこれで覗いてみた。たぶん変態かなんかだと思われただろう。

 昨日、恵比寿あたりで日本野鳥の会の会員のような格好をしてぶらぶら歩いていたのは自分です。

 しかしこのポール・マッカートニーの公演、やり直す可能性ってどれくらいあるんだろう。

 

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