電柱でござる

 今日の日経にこれから日本国では新たに電柱を設置することはしないという記事があった。これから将来に向け、電柱をやめ、電線は地中に通す。他ほとんどの先進国が行っていることをついに行うということになったそうだ。これはいい。

 東京オリンピックまでには街並みがずいぶん変わることになるらしい。

 記事によるとこの工事にとてつもないお金がかかるというのだが、こういうお金はかけていいんじゃないかなと思う。景気も回るし。

 ただ、気になるのは工事をやろうにも最近は働く人がいないのだ。

 これは今後さらに問題が加速するだろう。最近の学生はガテン系(いまでは死語か)のアルバイトを好まない。

 ところで先ほど、代官山のナチュラルローソンに行ったら、気の弱そうな男の子のアルバイトが新人研修のようなものを受けていた。どうやら宅配便のやりとりのロールプレイである。動きを見ていると、何をどうやったらいいのかまったく見当がつかない様子。これまで自身でコンビニに宅配をお願いしたことがないんだろう。見ていて気の毒になった。

 ああいうのを見ていると、働く人のクオリティってどんどん下がってきているなと思う。以前は見よう見まねで新人アルバイト君もなんとか仕事をこなせていたような気もするが、まるで生まれたてのように無垢で無知な生物に仕事を飲み込まさせないといけない。

 その昔、口の悪い知人がアメリカなどに旅行に行きファストフードやスーパーのレジ係の要領の悪さに、あいつらは頭が悪いなどと悪態をついていたが、いまではこちらもあちらのことを悪く言えない。むしろこちらの方が問題ある。

 まあ無垢な若者はコンビニあたりでバイトしてくれた方がいい。公共事業などの工事に絡む仕事をしてずさんな作業をされるよりずっといい。こちらは国民の生命と財産に関わる問題。

 ちなみに自分の高校時代、広島県呉のどこかのビルの建設現場で日給取っ払いのアルバイトをなんどかやったことがある。鉄筋のバンセンを巻く工事。特殊な器具を使って針金のようなものを引っ掛けくるくると巻いて鉄筋同士を結びつける工事。これがなかなか面白い。きっちり仕上げないといけない性格からか、自分のパートはきっちり仕上げる。その仕事っぷりは監督に褒められ、バイト代もはずんでくれた。

 あのビルはいまどうなっているのだろう。たぶん今日も立派にその威容を誇っているだろう。どこの何ビルだか詳細はまったく覚えてないが。