注意力散漫

 iPhoneiPad、そしてデスクトップのパソコンと一日中、こうしたデジタル端末の画面を見つめている。短いニュース記事を読み、友人のSNSをのぞき、dマガジンや日経デジタル新聞を読みながら、隙間でメールやLINE、テキストメッセージの返信。いろんな通知が携帯端末に飛び込んでくるのでそれの確認。合間に読みかけの文庫や新書を読み、たまに電話対応する。

 ずっと思っていたのであるが、こういう生活のおかげで注意力が散漫になってきた。何かに集中できるというのが、自分のわずかばかりの取り柄であったが、いまやそこが侵食されてきている。

 昔は週刊誌などは隅々まで読んだものだ。いまではナナメに読むどころか、見開きを見て面で気になるセンテンスを見つけそこらあたりを読む、自分流速読である。本も語尾まで読まないで次のパラグラフに移って、結局読み返したりと効率の悪い読み方になっている。小説などは以前はもうお尻が痛くなるまで何時間でも通しで読めたものだが、いまは数十分に一回、携帯端末に浮気する始末。

 熟考や思索が脳にいいのはわかっているのだが、真逆なことをやっている。これは由々しき事態である。たぶん、同じような危機感を抱いている人は多いと思う。

 もうデジタルデトックスとかいう場合ではない。生活にもうすこしメリハリをつけて、携帯端末、パソコンを触る時間とそれ以外の時間を分けようと思う。

 とかいいながらApple Watch3を手に入れ、これでiPhoneなしでもどこでも通信できる、なんて得意がってる自分がいる。バカなんですかね?