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 人を見たら泥棒と思え。

 あまりいい言葉とは思えないが、若いころ海外へ行くときはこう思うように先輩などから教わってきた。特にヨーロッパは、ジプ○ーが多くいて所構わずまとわりついて財布などをスラれるから気をつけろと。ずいぶん昔、イタリアでダンボールを持ったおばさんと子供に付きまとわれ、いやな思いをした。パリでも地下鉄で妙に近い距離に寄ってくる男がいるので、すぐに逃げたりした。

 基本海外で外出するときは最低限の現金とカードのみ。パスポートなどの貴重品は論外。腕時計も海外旅行時にはGショックにしたり、バッグや荷物はもたない手ぶらで服装もローカルに馴染むカジュアルというスタイルである。

 なもんでこれまで被害にあったことはない。まあ、根が用心深い性格なのが幸いしているのだろう。

 さきほどパリにいるスタッフから「パスポート入りの財布をスラれて帰国できるか微妙」という連絡が入った。しかも二人同時に地下鉄でやられたらしい。

 パスポートを持ち歩くなんて、と思ったが、ヨーロッパなどでは買い物時にデタックスするのに必要だしなあなんて思い出していた。日本を除く諸外国では身分証明書を携帯するのがわりと当たり前になっている。

 これなんとかならないのかなあと思う。例えば日本政府がクレジットカードサイズの国際身分証明書のようなものを発行してくれれば解決しそうだなと。写真入りの免許のようなもの。無くしても再発行が可能。これなら旅行中のパスポート紛失も減りそうである。もちろん手数料は受給者負担。

 なかなかいいアイデアだと思うんだが、どうでしょうか