正常バイヤス

 老後の2000万円問題が相変わらず騒がしい。

 年金は100年安心といってたではないか、なんたることかと怒る人もいれば、一方であれは金融庁が資産運用を進めるための資料だったから何も間違っていないという人もいる。

 でもこんなこと、議論しても仕方ない。

 2000万円かあるいはもっと必要なのか、その人のライフスタイルや余命、これまで払った年金額と期間によってまるで違う。いずれにせよ、将来年金だけで生活するのは厳しいということは、我々国民、みんな薄々感じていた。

 つまりあらかじめわかっていたことである。

 国に頼らないで、自分らの将来に備えるしかない。

 どう備えるかは個々人で考えるしかない。そんな国だったのだ。

 かといって、デモに参加する気にもならないし、むかつくからといって次の選挙で与党以外の政党に票を入れるにも、どいつもこいつも頼りないので投票に行く気さえならない。打つ手なし、四面楚歌な状態。

 景気は一向に良くならないし、少子高齢化は加速度的に進んでいる。

 わかっているのになにもできない。

 これまで生きてきて社会に不安を感じたことは無くは無いけど、10月の消費税増を踏まえるとこれまでで最悪な不安を抱いている。

 でも、あの福島のカタストロフを制御できてるんだから、なんとかなるかもね、なんてバカな正常バイヤスも片方で働いている。

 誰がどの党が政権を持ってもいいけど、敵味方関係無く、日本国中の頭脳を総動員してよりよい社会を作る解決策を導いて欲しい。