ボンジュール

 人はもちろんそうだけど、街にも相性みたいなものはある。居心地やあるいはトラブルに巻き込まれないとか。その意味でパリと自分はあまり相性はよくない。

 飛行機からして遅れたり、荷物無くしたりなんてこともあった。今回も帰りの便が遅れた。

 はじめに行ったのが、20代の前半。英語もロクに話せなかったのに、フランス語圏では、もうお手上げ。

 ホテルのシャワーの蛇口がなぜか腰下くらいに付いていたり、お湯の出が悪かったりと、いま思い出してもあまりいい思い出はない。あと、ホテルの部屋がむちゃくちゃ乾燥していたりとかね。

 そう考えてみると、この夏至の時期、ヨーロッパに行ったのは数える程しかなかった。いつも寒い1月とか2月が多い。

 一年でいちばん日の長いこの時期のヨーロッパは、いやはやとてもいいです。帰る日とその前日はすこし暑すぎたけど、それまでは乾燥した晴天が続き、気分が上がった。しかも夜は10時くらいまで明るい。食事をして、2軒目にカフェのテラスでまたワインを飲んでいても陽は沈んでいない。これでは酒量も増えるというもんだ。

 先週の金曜日は、音楽デーのようなものだったようで、街のあちこちで音楽隊やバンドが表や店内で演奏していたりと、短いヨーロッパの夏を楽しむ催しが開かれいた。

 おかげでマレ地区で食事のあと、オペラ方面へUberで向かったが移動に小一時間かかった。さらにファッションウィークも重なっていて、街は常に渋滞していたね。

 滞在先がオペラ周辺というか、中心地で今回はこの選択があまり良くなかった。これまでは大体この辺りで、仕事とかあったから良かったんだけど、今回のような出張はやはりマレ地区に近い方が何かと便利。

 パリでこのマレ地区を東京に例えるとどこという話になったところ、中目黒という意見に賛成が多かったが、ひとり高円寺だというレアな意見もでた。視点はいろいろあって面白い。

 そう、ぼくはいつも外国の街を東京のどこに近いかというように置き換えるようにしている。人に説明するときにわかりやすいし、街のイメージがつかみやすい。

 つまるところ、今回のパリは個人的にはとてもよかったです。相性問題なんて、気の持ち方次第なんだなと改めて感じた次第。

 また行きたい。